社長が徹底解説!シリーズ「教えて!住宅ローンの変動金利は上がる?」 | 住まいのWebマガジン/TEAM NEXT MAGAZINE

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社長が徹底解説!シリーズ「教えて!住宅ローンの変動金利は上がる?」

日銀の政策金利が上昇し、住宅ローンの変動金利は今後どうなるのか…?

住宅ローンを組むとき、約8割が選ぶと言われる『変動金利』。
【変動金利 上がる】などのキーワードで、当記事に辿りついた方もいらっしゃるのでは?

今回は、注目度の高まる『変動金利』のこれからについて、キャリア20年の社長視点から、今後の見通しを解説いたします。

目次

住宅ローンの変動金利は今後どうなるの?現場目線での社長の予想

「住宅ローンの変動金利は上がる?」
今現在、住宅業界を騒がせているトピックの一つといってよいかと思います。

住宅ローンを組む人のうち、約8割が固定金利ではなく、変動金利を組んでいると言われています。
私もこの住宅業界で約21年間勤務していて、数百組のお客様のお世話をしてきました。
きっちりと数えたわけではないのですが、約8割が変動金利というのは、私の肌感覚とも一致しています。
そういう私も、約四年前に家を建てたとき、変動金利で住宅ローンを組みました。

先月、日銀の政策金利が0.1%から0.225%に引き上げられ、株式市場は大混乱したのですが、同時に、この『金利上昇』という一言だけを切り取って、あたかもすぐさま住宅ローンにおける『変動金利』も上昇するという雰囲気も、あちらこちらで見受けられますので、今日はそのことについて書いていきたいと思います。

日銀が政策金利を上げても、変動金利は急には上がらない?

日銀の政策金利の引き上げによって、各銀行も【短期プライムレート】の引き上げを、続々と発表

短期プライムレートの引き上げは、2007年3月以来と言いますので約17年半ぶりということになります。
そういえば 私が住宅業界に入った頃に、そんなニュースもあったような、、、
ちなみに その頃の住宅ローン変動金利の、実行利率は約2%前後だったと思います。
ただそのさらに10年や20年前の住宅ローン金利は6%や 7%だったと思いますので、17年前でも不動産営業マンのセールストークは「今は史上空前の低金利ですよ」でした。
それがいつの間にか 2%を切り、1.5%を切り、いつのまにか 1%を切り…現在では 0.5%を切るような優遇金利もあります。

そもそも「住宅ローン」って?今回の利上げの影響とは?

まずは 住宅ローン金利の基本からおさらいしていきましょう。
住宅ローンには大きく分けて、『変動金利』『固定金利』があります。
固定金利も、「住宅ローン」と「フラット35」の2種類に分かれるのですが、今日は 固定金利はひとまず置いておいて、注目の『変動金利』についてお話ししましょう。

短期プライムレートが上がると、住宅ローン返済額にも影響する?

ここまで【短期プライムレート】が、住宅ローンの基準になるとお話しました。
では、一歩掘り下げて、“短期プライムレートの基準になるのは何か”というと、まさにそれが、先月話題になった日銀の【政策金利】です。

つまり、基本の流れは《日銀の政策金利が上がる⇒短期プライムレートが上がる⇒住宅ローン金利が上がる》という三段階です。


先程お話ししたように、“実際に住宅ローンを借りる金利”(=「実行金利」「出来上がりの金利」)は、短期プライムレートが影響を与える2.475%の「基準金利」(=「店頭金利」ともいう)よりも、【金利優遇幅の方が大事】ということになります。

仮に「基準金利」が0.15%上がろうが、【金利優遇】が0.2%増えれば、実質的には、0.05%金利が下がることになりますし、銀行側が短期プライムレートを上げて 住宅ローンの「基準金利」を上げたとしても、実質「出来上がりの金利」(=「実行金利」)は、現状を維持したいと考えれば、【金利優遇】をさらに0.15%拡大して、実質金利の横ばいを維持するかと思います。

では、本題の“今後どうなるか” に話を戻します。

ただし、あくまでも“現在のところ”ですので。
各銀行が、住宅ローンの顧客を奪い合っている現状では、ある銀行が金利優遇幅を拡大させると、競合銀行もそれに対抗して実質金利を引き下げることも想定されます。

あくまでも“現在のところ”(今後数ヶ月で状況は目まぐるしく変わると想定されます)という注釈付きですが、私の営業現場の肌感覚的には、“遅くとも年内には住宅ローンの変動金利は上がるのではないか”と思います。
その後、各銀行がにらめっこをしながら、金利動向が流動的になりそうな雰囲気を感じています。

支払い額はどうなるの?毎月の返済への影響

すでに変動金利で住宅ローンを組んだ人 / これから変動金利を選ぶ人、それぞれの具体例をご紹介

では、具体的に“金利が0.15%上がった場合、月々の支払額がどのぐらい増えるのか”を見ておきましょう。
『住宅ローン変動金利』の今後の動向(加えて“住宅ローンの実際の支払い”)を考える場合に、2パターンに分けて考える必要があります。
それは、“今現在 住宅ローン変動金利を組んでいる人”と、これから“住宅ローン変動金利で住宅ローンを借りる人”です。

例1【これから『変動金利』で借りる場合】4000万円を35年ローンで借入
金利が0.6%の場合は?
毎月の支払額は105,611円です。(ボーナス払いなし・月々払いのみ)

仮に金利が0.15%上昇し0.75%になった場合は?
毎月の支払額は108,313円です。(上記の同条件として)
2,702円ほど、毎月の支払額が上がるということになります。。

例2【すでに『変動金利』で借りている場合】4000万円を35年ローンで借入中
では、次に、現在すでに住宅ローンを変動金利で借りている人のお話をしましょう。
【金利優遇幅】は借りた時点で決定しますので、今現在住宅ローンを借りている人は、「基準金利」が上がれば、それはすなわち「実質金利」が上がることを意味します。
ただし、ここはよく勘違いしている方もいらっしゃるのですが、短期プライムレートが上がったからといって、すぐに変動金利が連動して上がるわけではなく、変動金利の見直しは半年に1回、年2回となっています。
そしてさらに言えば、返済額の見直しは5年に1回となっています。

この大事なポイントを少し深掘りすると、“5年に1回の見直し”というのは、“5年ごと”という意味で、“変動金利が上がってから5年後”という意味になります。

では、具体的に見て行きましょう。
2000年に住宅ローンを組んだ人の場合、返済額の見直しは、2005年、2010年、2015年、2020年、2025年…と、5年ごとに見直しのタイミングが続いていきます。
並行し、その間に“半年毎の変動金利の見直し”が行われています。

例えば、2021年に変動金利が上昇したとしても、返済額の見直しの年にあたる2025年までは住宅ローンの支払いは毎月同じです。

“金利が上がっているのに、毎月の支払いは同じ?”と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、金利が上がって毎月の支払いが同じということは、毎月の支払いの内訳が変わっているということです。
つまり、金利が上がれば、“支払利息が増えて元本の返済が減る”ということです。
逆に金利が下がれば、“支払利息が減って元本の返済が増える”ということです。

もう一つ、住宅ローンの変動金利において、返済ルールが定められています。
それは、“5年ごとの返済額の見直しにおいて返済の増額は1.25倍を超えない”というルールですが、はっきり言って、これはもう無視して良いかと思います。

1.25倍を超えるような返済額になるということは、金利がものすごく上昇していることですが、そのような上昇は、はっきり言ってありえないと思います。

『変動金利』で住宅ローンを返済している場合、注意が必要な人

話を元に戻すと、住宅ローンの変動金利は、近々上がることが予想されています。

そうなると、来年や再来年に、先ほどお話した“5年ごとの返済額の見直しの年”をむかえる方は、要注意かと思います。

逆に言うと、去年、変動金利で住宅ローンを組んだ方は、今年基準金利が上がろうと、あと4年間は返済額が変わりません。

一応、日本銀行の見通しとしては、「住宅ローンの金利が上がっても、すぐに支払額が上がるわけではないので、その間に賃金も上昇するから大丈夫だろう」ということらしいのですが…
本当にそうだったらいいのに、と言うしかありません。

ただ、大事なことは『金利上昇』というキーワードだけに、引っ張られないでほしいということです。

ここは、ひとつ冷静に。変動金利の見直しは半年に1回、返済額の見直しは5年に1回という大事なポイントを、押さえていただければと思います。

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多くの方が選択される『変動金利』。
「金利上昇」の話題に、敏感になられている方、今後の返済額が上昇するのか不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。
今回の記事が、そんなご不安を少しでも解消する手助けとなれば幸いです!

また、神戸都市開発には大手銀行出身のローン専任担当者がいます。
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